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【伸ばす上司の思考術】批判しない|グッドコミュニケーション習慣

【批判しない】

「他人のあら探しは何の役にも立たない。
相手はすぐさま防御態勢をしいて
なんとか自分を正当化しようとするだろう。
それに、自尊心を傷つけられた相手は、
結局、反抗心をおこすことになり、まことに危険である。」

世界中で読まれているD・カーネギーの『人を動かす』
「人を動かす三原則/盗人にも五分の理を認める」からです。

 

人から批判されて嫌な気分をした。
人から批判されると反発してしまった。
自分のことを批判する人からは離れたいと思った。
批判されたからといって考えを変えたりはしなかった。
批判する人に対しては
マイナスの影響を受けないように心のシャッターを降ろした。

その場の解決のために相手を批判すると
人間関係にしこりが残った。
相手からも批判された。
協力を得られなくなった。

こうしたことは、多くの人が
自身の体験からよくわかっていることでしょう。

相手を批判すると人間関係が破壊されます。
相手を批判しながら協力し合うことはできません。

 

ところが
批判しても自分が危険にさらされない状況で
「自分の方が正しい」「相手が間違っている」と思うと
人は批判してしまいがちです。

自分の正しさを主張するとき
正しさを武器に人を批判するとき
脳でドーパミンが分泌され快を感じるからです。
(参考文献:「人はなぜ他人を許せないのか?」中野信子/脳科学者

他人の間違いを指摘し
自分の正しさを主張することは
人にとって「快」なのです。

指摘することが部下のため
そうやって自分も成長した
と正当化する理由があればなおさらです。

部下をもつ上司になると
・ダメなところを指摘して正すのが仕事だ
・自分が正しい、相手が間違っている
と正当化して
部下の欠点や短所、失敗を指摘し
速やかに改善が見られないと批判し、責めてしまう。

私自身がそうでした。

それで状況がよくなることはありません。
部下の元気がなくなる。
部下の心が離れていく。

 

多くの場合
できないことを指摘されたからといって
次の日からすぐにできるようになったりはしません。
それは、その人の個性、習慣に起因していることが多いからです。

人は自ら進んでやろうと思ったことしか
やる気をもって熱心に取り組むことはありません。
批判されて、責められて、一時的に行動変容があったとしても
すぐに元に戻ります。
また指摘する、批判する、責める。
同じことが繰り返されるだけです。
できないこと、やらないことを批判し始めると
毎日同じことの繰り返しになります。

それを見ている周りの人も不快にさせ
雰囲気が悪くなります。

 

人は自分のことを批判されることに
苦痛感情をもちます。
自分のことを批判する人に
苦痛感情をもちます。
会いたくない、関わりたくない、近づきたくない
人間関係が破壊されていきます。
そんな相手によい影響を与えることなんて
できるはずがありません。

 

ひと昔前であれば
批判して、責めて、恐怖を与えて
部下を動かすマネジメントが見られました。
私も新入社員の頃はそういう指導を受けました。

それは
批判されることに耐性のある世代であったこと、
逃げ道のない、逃げる選択肢がない時代であったことで成立した
今では通用しない旧型のマネジメントです。

今は
・やめて転職する
・パワハラで訴える
という選択肢があります。
批判や恐怖で部下を動かすことはできません。

 

部下をもつ上司であれば
部下が自分で気づいていない失敗や間違った判断を
指摘しないといけないことがあります。
部下の仕事に
マイナスの評価をしないといけないことがあります。
※指摘:(この行動で)この結果になった、という事実を伝えること
※評価:それが良いのか良くないのかを伝えること

言われた方は
この時点でグサッときているものです。
ここが指摘の効果の最高点です。

ここに
なぜ?なぜ?なぜ?と
部下の判断や考え方に原因を掘っていく
その判断、考えをした人物批判を始める。
そうすると
自己正当と反発心から
指摘の効果が下降していきます。

自分を守るために
上司が間違っていると考えるようになり
あなたの影響力がますます低下していきます。

事実を指摘しても
人物を批判しない
人の判断を「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と問い詰めない。

【伸ばす上司の思考術】「なぜ?」ではなく、「どうやって?」|グッドコミュニケーション習慣

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