【「なぜ?」ではなく、「どうやって?」】
その人の価値観・ライフスタイルは
環境に大きな影響を受けていることは間違いありませんが、
人は自分の意志で新しい価値観・ライフスタイルを上書きできます。
『嫌われる勇気』などで紹介されて有名な
心理学者アルフレッド・アフラーの言葉です。
「人は過去の体験や経験で決まる」
「人は原因によって行動する」
という従来の< なぜ?どこから? >に偏った心理学を否定し、
「人は思い描く未来によって、いつでも変わることができる」
「人は目的によって行動する」
という< どこへ?どうやって? >を中心に据えた新しい心理学が
アドラー心理学です。
過去ではなく、未来
原因ではなく、目的を
大切にします。
部下育成をする上で
必ず知っておきたい考え方です。
採用や昇格、部下育成など
その人に今後期待できるパフォーマンスを推測するのに
2つの考え方があります。
1つが「原因論」
人は同じような考え、態度、言動を繰り返す傾向があります。
そこには遺伝的要因、心理的要因、環境的要因があります。
その人の行動特性とその要因を知ることで、将来に発揮する能力を推測できます。
過去の行動と、なぜそうしたかの深掘りすることで見えてきます。
この「原因論」の考え方で部下育成に臨むと
相手の失敗を掘り下げ原因を見つけ、相手を変えようとする
相手を否定する、相手を批判するアプローチになってしまいます。
もう1つが「目的論」です。
人は
望む未来が変わると、行動が変わります。
価値観が変わると、行動が変わります。
自信を持つと、行動が変わります。
過去ではなく
未来に対する希望、意志、自信で、将来に発揮する能力を推測できます。
この「目的論」の考え方で部下育成に臨むと
失敗、不出来、よくない点は指摘に留め
・もっといい方法を考えてもらう
・もっといい方法を提案する
・それはできそうか考えてもらう
・それはできそうだと自信をもたせる
・そうすると現状よりよくならないか考えてもらう
・そうすると現状よりよくなるだろうと期待を持たせる
相手に見通しと期待と自信を与えるアプローチになります。
部下育成には「目的論」が効果的なのです。
「何で言ったことをしないんだ?」
「何で見直さなかったんだ?」
「何でできていないんだ?」
なぜ?なぜ?なぜ?の
「原因論」の部下育成は 批判的になってしまいます。
相手を息苦しくします。
あなたとの時間を苦痛にします。
「どこが障害?」
「どうすればできる?」
「〇〇すれば上手くいくと思うよ。」
どうやって?どうやって?どうやって?の
「目的論」の部下育成は建設的です。
相手を前向きにします。
あなたとの時間を有意義にします。
指摘の後は
批判しないで 「どうやって?」
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。