【 部下はできる 】
教育心理学では、教師の期待と学習者の成績の相関関係から
教師の期待が高い方が学習者が向上すると考えられています。
人は、期待された通りに成果を出す傾向があるのです。
この傾向はピグマリオン効果と呼ばれ
あらゆる教育現場で活かされています。
反対に
相手からの期待が低いと
悪い印象をもたれていると
成果を出さない傾向もみられます。
こちらはゴーレム効果です。
皆さんも、自身で経験がありますよね?
「あなたにはできる!」「あなたならできる!」と期待されたので
期待に応えようと頑張った。
「あなたにはできない」と期待されなかったので
「あなたはできていない」と指摘ばかりされたので
やる気がなくなった。
部下の成長を促そうと考えたら
「あなたはできる!」と言った方がいいのか?
「あなたはできていない」と言った方がいいのか?
部下を伸ばす上司は
「部下はできる」を前提にしています。
「部下はできる」を前提に指導しています。
「あなたならできる!」と言っています。
なぜなら
『そのように接すれば そのようになる』
ピグマリオン効果を知っているからです。
それなのに部下をもつようになると
良かれと思って、相手の成長を望んで
ダメなところを見つけようとする。ダメなところばかり指摘する、。
そんな上司が少なくありません。
できる担当者だった人ほど、この傾向が見られます。
私もこんな上司でした。
私は初めて部下をもったとき、
部下の成長のためにと思って
部下のできないことを指摘して
部下にできていないことを自覚させようとしていました。
自分の言うことを聞かせようとしていました。
それが成長の早道だと思っていたからです。
とても熱心でした。
そして
まったくうまくいきませんでした。
部下はだんだん元気がなくなり、反発的になり
私はイライラして、さらに指摘する、批判する。
そんなことで成果が上がるわけがありませんでした。
できないことを自覚させようとすることは
逆効果だったのです。
学んだのは
「部下をへこませて何の得もない。」
ということです。
「『部下はできる』と言って接したら
・部下が調子に乗りませんか?」
と聞かれることがあります。
調子にのったらいいじゃないですか、
気分よく仕事をしてくれれば。
大丈夫です。自分で気づきます。
上司が認めてくれていると
部下は自分の未熟さを自分で認めます。
上司が認めていないと
部下は自分を守ろうとして
自分ができないことを認めようとしません。
相手をへこませて無理やりでも自分の言うことを聞かせる、
それが目的なら
「あなたはできない」メッセージを伝えたらいい。
ゴーレム効果が現れます。
相手を成長させることで組織の成果をあげる、
それが目的なら
「あなたはできる」メッセージを伝えたらいい。
ピグマリオン効果が現れます。
どっちがいいですか?
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