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人材育成と人材開発の違い

人材・・・働きのある、役に立つ人物
育成・・・りっぱに育て上げること
開発・・・実用化すること
(新明解国語辞典)

直訳すると
人材育成・・・役に立つ人物にりっぱに育て上げる
人材開発・・・役に立つ人物を実用化する
でしょうか。

 

私は以下のように定義しています。

【人材育成】とは
長期的な視野に立ち、個人の成長が促されるように、必要なことが身につくような環境を与え、整えること

【人材開発】とは
組織の課題解決に向けて、個人の(考え方、知識、技能)を訓練すること

 

【人材育成(環境を与える)と人材開発(訓練する)は両輪】

環境が与えられることで
新しい課題が現れ、それを乗り越えるために訓練され、成長する
また新しい環境が与えられることで→
また新たな課題が現れ、それ乗り越えるために訓練され、成長する

 

【環境を与える人と 訓練する人 役割分担が効果的】

その人の成長に合わせた環境を与え、成長を促す人と
そこで課題解決や能力発揮を促し訓練する人
同じでない方がよいときがあります。

例えば、親子
親は子どもに環境を与え、整えることにとどめ
担任の先生、数学の先生、塾の数学の先生に任せたほうが上手くいきませんか?
子どもが一定の年齢になると、親は子どもの個別の課題における解決支援最適者ではなくなります。子どもは親から個別の課題まで厳しく指導されると逃げ場がなくなるからです。

上司と部下も同様です。
上司が常に部下の個別の課題における解決支援最適者であるとは限りません。部下は上司から個別の課題をすべて厳しく指導されると逃げ場を失います。

 

【上司による人材育成】

部下が、今目の前にある課題解決のための支援・訓練を受けられるように環境を整えることが上司の役割、人材育成です。
自身に十分能力があって、部下を大切に思っていると、当然上司は部下を直接全て指導したくなります。
上司は部下の居場所でもあります。熱心に指導した結果、居場所がなくなった部下が辞めてしまっては本末転倒です。自身で直接支援・訓練する、社内に師匠をみつける、社外勉強会を紹介する、外部講師による研修会を企画開催する。使えるものは何でも使いましょう。

部下にとって上司が居場所であるように、部下が目の前の課題を解決できるように、上司の人材育成と人材開発は難しいですね。

(Eiichi Konomi)

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